【Vol5 開催レポート】”食”を通じて豊かな社会を目指すために必要なことは何か?

こんにちは!

先日、スポカン会議vol5が開催されました! 早いものでもう5回目です!

スポカン会議って何? という方はコチラをご覧ください!

今回、お話を聞かせていただくのは、食育に関する講師業・コンサルティング業を行う株式会社食STORYの代表取締役である米倉れい子さん!

 

米倉さんは管理栄養士として働いていた経験を活かし、多くの自治体や民間企業に対して食のコンサルティングを行ってきました。また、スポーツ栄養事業にも注力し、省庁と連携しながら栄養や食生活に関する施策の企画立案や推進に直接携わってきた経験をお持ちです。

 

そんな、食育のプロである米倉さんからは一体どんなお話が聞けるのでしょうか?

今回もお楽しみください!

実際のインタビューの様子はコチラ!

 

インタビュー企業紹介

株式会社 食STORY
代表取締役:米倉れい子
所在地:東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア
事業内容:
栄養・健康な食生活の実践に関する講演事業
コンサルティング事業
・栄養成分表示事業
・栄養表示の作成支援にかかる情報提供など
・スポーツ栄養・スポーツ食育事業
アスリートやスポーツをする子ども、その保護者や指導者向けのスポーツ栄養情報やレシピ等の発信
ビジネスパーソン向けのスポーツ選手の事例から学ぶ食トレ情報の発信など
HP:https://shoku-story.co.jp/

 

クリエイター紹介

島津栄一
普段はデザイナー、門前仲町の場づくり

 

大久保結奈
地方アナウンサー・動画制作

 

加藤徳仁
UI UXデザイナー

第一部:経営者インタビュー

毎回恒例、生畑目による一問一答インタビューからスタート。

 

生畑目「まず、米倉さんが会社を経営する目的はなんでしょう?」

米倉「自分が持ってる専門性やスキルをかけ合わせながら、食を通じて豊かな社会を作っていくためです。契約関係の都合上、法人の方が都合がいいので会社という形をとっていますが、組織の形態にこだわってはいません」

 

生畑目「現在は色んなパートナーの方と組んで仕事する時もあると思いますが、米倉さんはどんなパートナーと仕事していきたいと思っていますか?」

米倉「自分の思いを形にしようとしている方ですね。私はこれがやりたい、こういうことをして地域をよくしたい、という気持ちの意思疎通が図れる方であれば、例え意見が違っても話し合うことで解決していけるのではと思っています」

 

生畑目「現状の課題はどんなところでしょう?」

米倉「大きくは二つあります。一つはチームでの仕事経験が少ないことです。これまでの仕事の多くは、私個人の専門性を活かして依頼されたものにお応えする形でこなしてきました。ただ、その場合だと情報が非常に限られていたのも事実です。食というのは誰しもが関係するものなので、もっと色んな方とチームを組みながら仕事の幅を広げていきたいと思っています」

 

米倉「二つ目は、自社のブランディングがしっかりできていないところです。これまでこなしてきた仕事や成果物をもっと目に見える形で発信していかないと、一緒に仕事をこなしてきたクライアントさんとの関係が浅くなってしまうと思うので、そこをどう広げていくかが今の課題です」

 

続いて、参加クリエイターからも質問を投げかけます。

島津「僕はコミュニティを運営する中で、食=必ずしも食べることだけでなく、誰かにふるまったりすることや準備の部分も含めてコミュニティに必要なことだよと教えているのですが、米倉さんは食に対してどのような認識でいらっしゃいますか?」

米倉「私は、食とは最終的にはコミュニケーションのツールになり得るものだと思っています。形にこだわってはいないですね。みんなが楽しく食べる食卓という場はもちろん、時にはライフスキルや生きていくための力にもなるもの。すごく広い感覚を持ってます」

 

大久保「『食を通じて社会を豊かに』をコンセプトとして活動しているとのことですが、例えば女性に特化したり、美容などの会社に進出したりといったことは考えていらっしゃいますか?」

米倉「うまく協働できるなら進出したいと思ってます。私は20〜40代のお子さんを持つ年代を一つのターゲットにしてます。食育は子供のためと思われがちなんですが、中高年や高齢者はもちろん、ライフステージごとに食育はあります。そういった意味では、女性の美容も求められているのであれば大切だし、キャッチーなので非常に魅力的なテーマだなと思います」

 

加藤「米倉さんの実現したいビジョンはどういったものでしょうか?」

米倉「食に関しては人の数だけ正解があると思っているので、こうあるべきという明確なものはないと思っています。食事をみんなでワイワイ食べるものや、ただの栄養補給としてだけでなく、それ以上のものとして考えられるようになって欲しいなって思います」

 

加藤「いろんな世代の家族が一つの食卓を囲んで団欒してるというイメージを思い描いているというよりは、食を通じた楽しさをいろんな人が知っているという状態ですかね?」

米倉「そうですね。食は日々の営みですが、手を抜いた日もあっていいし、団欒の日があってもいいし、食を通じてなにか心と身体が豊かになればいいかなという感じです」

 

島津「米倉さんの中で、所属したいコミュニティみたいなものってありますか?」

米倉「求められればどこにでも行きたいので、特にここがいいというのはないです。ただ、自分一人でやっていると、地域といった大きな集団と関わる機会が中々ないのでそこは魅力的だと感じます。私が起業した一つの理由に、枠組みを作って食育を語るというよりは、現場でストーリーをつけて有用事例をたくさん出していきたいという思いがありました。事例が作れる現場を通してみなさんが主体的に動いてプラスに働くような場には入っていきたいです」

 

島津その主体的や自立とったワードはテーマとしてありそうですね。個々が自由に動きながら、且つそこに集まる人たちがちゃんと目的を達成できるというのがイメージとしてあるように思います」

米倉「そうですね。わたし個人的にも人は多様であっていいと思っていますし、むしろその、自分は自分らしくという姿こそが大切なはずです。だから主体的や自立的という言葉をキーワードとして自然に話しているかもしれません」

 

 

大久保「米倉さんから見て、一般層の食に対する関心はどのくらいのものですか?」

米倉「3000人ほどを対象に行われた国内の調査で『食への関心はありますか?』という質問には7割ほどの方が『関心がある』と答えています。ただ、興味関心は何を基準にするのかで話が違ってきますので、対象によっては二極化していくと思います」

 

一通り質問を終えたところで、次は第二部の戦略会議に移ります!

米倉さんの希望もあり、テーマ・提案方法に関しては特に指定はせず、自由にディスカッションすることになりました。

 

第二部:戦略会議(前半)

島津「まずテーマを決めたいですね。突拍子もないことから言い出した方がいいのか、今ある食STORYさんのことから話した方がいいのか」

 

加藤「米倉さんが実現したいことは、世の中の食への関心や優先度を一つ上の段階に引き上げてあげることかなと思いました。SNSを見ていると、ホットサンドメーカーなどの食に関する動画がバズったことがきっかけで料理本も出たりしています。それを見て自分もやってみたいと思う方が増えるように、PRの方法としては動画も考えてもいいのかなと思いました」

 

島津「僕は定期的に自分のオンライングループでイベントをやってるんですけど、ちょうど先週、半農半Xという言葉が出てきました。これは、自分や家族が食べる分の食料は自給自足でまかなって(半農)、残りの時間は自分の好きなことに費やす(半X)というライフスタイルの考え方です。このことから、食べ物を自給自足することに興味を持っている人は意外に多いんじゃないかと思いました」

 

大久保「確かに最近はYouTubeでも農業系が伸びる傾向があります。特に若者が農業に目を向け始めているというのは、この時代で流れのようなものができている気がするので面白いと思います」

 

加藤「自給自足はどういった方がチャレンジしてるんですかね? 自営業の方が多いのか、サラリーマンの方が多いのか」

 

島津「始めたいって人はサラリーマンの方が多いですね。そのイベントに参加した方も、半農半Xに興味を持ったきっかけは『自宅で家庭菜園ができたらいいな』という軽い気持ちでした。今まで消費者側だった人が違う感覚をもって、自給自足を進めようとしていることに興味が湧いて、色々と情報交換しました。そういう意味では、切り口を変えると、今まで以上に食に興味を持つ人は増えるのではないかと個人的には思います」

 

加藤「自給自足に興味関心を持つ人が増えてきた理由って何かあるんでしょうか?」

 

島津「コロナの影響や、災害がここ数年増えてきたことも理由としてはあると思います。予測しがたい脅威を身近に感じるから、食べ物を自分たちで作って備えようという方向性が見受けられます」

 

加藤「こういう生き方もできるんだ、ということがある程度見えるようになってきたんでしょうね。そこからYouTubeで発信する人がいたり、コミュニティに入ったりして生き方の幅が広がりつつあるのかなと」

 

大久保「農業と何かをうまくかけ合わせれば食への関心も引き上げられそうですね」

 

加藤「時間はかかりそうですけどね。ただ、食への興味を高めるのと農業への興味を高めるのはベクトルが若干違いますし、ライフスタイルが変わる可能性もあるのでハードルが少し高いんだと思います」

 

 

加藤「僕の意見をまとめると、SNSあるいは動画を使った共感してもらえる食事コンテンツの作成ということになります」

 

島津「僕は、もっとドキュメンタリータッチで、思い悩んでる姿を共有できる形もいいんじゃないかなと」

 

加藤「食STORYという社名と絡めて、アスリートの方が、どういうストーリーで自分の中に食事を取り入れているのか、といったことが見えるといいですよね。一人ひとり違うはずなので」

 

大久保「どちらも面白いと思います。食に関心が集まっているのは確かだと思うので、どうコンテンツを作って、”食”のどこに焦点を当てていくかが鍵だと感じました」

 

ここで会議の前半が終了!

一旦米倉さんに所感を伺い、後半での方向性を決めます。

 

島津「米倉さんの興味を引いたポイントなどが分かると次のテーマに移りやすいかなと思うんですけど、いかがでした?」

米倉「まず、食や農に関心があるけれど仕事として携わった機会がない人は、ここまで話さないんですよね。なので、こういう視点があるんだなってのが面白かったです。その分、私が関わるとしたらどうなるんだろうという興味でその続きが気になりました」

 

島津「だいぶ本題から外れていたとは思うんですが、”農”というワードに引っかかったところがあったんですか?」

米倉「もともと前職で、制作として助ける形で農家の方と一緒に仕事をしていまいした。自分が実際にやる経験がなかったので、大切さも分かるし、皆さんの切り口の盛り上げ方でテーマ性としては共感できました。なのでやってみたいとは思ったものの、私としては何ができるんだろう、というところを掘り下げたいです」

 

島津「とりあえず“農”ですよね、農業より。それで違う切り口を話してみましょうか。また違う話になっちゃうかもしれないですけど(笑)」

米倉「みなさんの、食を通して興味関心を引いてもらえることを聞いた中で、自分が協働できそうなところはどこかということを意識しながら再度聞かせていただきます」

島津「わかりました!」

 

第三部:戦略会議(後半)

島津「農の違う切り口を出すと、コンポストをつけている人が周りで増えています。家庭で出た生ゴミを堆肥にするものですね。おそらくコロナの影響で考える時間ができたり、ウイルスに限らず災害が増えるとそれに比例して増加するフードロスも関係してる気がします。また、今まで特に興味をもっていなかった会社員の方が始めるパターンが多いらしいです」

 

加藤「その会社員の方はどういうきっかけで始めようと思ったんでしょうね」

 

島津「おそらく、目一杯仕事をこなしてはいるけど、会社に行って帰ってくるだけの生活がメインの人が多いイメージです。おそらく癒しを求めていたんじゃないかなと」

 

加藤「コロナショックがあったからこそ、自分でできることや時間の有効活用といったところに目が向くようになったのかな」

 

島津「そうですね。趣味というより、暮らしの生活のサイクルの中に入ってる感じなのかな」

 

 

加藤「コロナが流行り始めた頃は、手に入るはずのものが手に入らない状態になったじゃないですか。いつも売ってるはずのマスクさえ手に入らない、みたいな。そのことに危機感をもって、自分の身を守るためにできること、社会の影響を受けずに生活する方法を模索しているのかな。仮説で話すのであれば、そういった心境の変化が関係してそうですね」

 

大久保「心境の変化と時間が大きいと思いますね」

 

加藤「でもある人が農と向き合うことになったストーリーは気になるところですね。何かしらの問題意識をもって実際の行動に至るまでの流れは、まだ実現できていない方にとっても参考になると思います。ただ、そうなるとB to Cになりますよね(笑)」

 

大久保「B to Bになると急に難しくなりますね……」

 

島津「B to Bだと福利厚生みたいなところに落とし込んで行ったらいいのかな。何かを育てることや、みんなが同じものを育ててみることを福利厚生として、予算も出しますよと」

 

大久保「私、結局人が行き着く先って自然だと思うんです。時間があって癒しを求める人は最終的に自然に還るという考えが根本にあるのかなって。福利厚生に絡めるのであれば、会社が理解してくれるかどうかは一旦置いていい気がします」

 

加藤「対象は会社じゃなくていいかもしれないですね。それこそ老人ホームとか。などの方が向くかもしれないですね。さっきも米倉さんがおっしゃっていたように、ライフステージで食の違いはあるので、それぞれの年代に合った家庭菜園や農を取り入れるのも一つ案としてはあるかなと思いました」

 

島津「どちらかというと公民連携みたいな形ですよね。大きい組織でやり始めてるところも増えてきているので協力できそうな気はしますね」

 

 

島津「みなさん個人的に農でやってみたいことってありますか?」

 

加藤「個人的にだと、ちょうど今キャンプの準備を進めてるんですよ。家庭菜園とかは家にできるスペースがないので、さっき言葉として出ていた自然に還る動きは僕の中にもあります」

 

島津「キャンプに興味あるんですね。大久保さんはキャンプとか行ったりしますか?」

 

大久保「キャンプ結構好きです(笑)というのも興味持ち始めたのも最近です。コロナが間違いなく影響してるんですけど、友達と遊ぶにしても、カラオケとかじゃなくて山登りとか BBQとか、自然に触れることがしたいなって思います」

 

島津「コロナによる閉塞感があったからこそ意識が外に向いてるというのはありそうですね」

 

大久保「絶対あると思います。農で攻めるなら今がチャンスなのかなと思いました」

 

島津「けどコレ考えるといろんな可能性あると思うんですね。もっと色んなジャンルの人を集めてきたら、それぞれの切り口によって身近にできるものが増えてくる気はします」

 

話が盛り上がっていますが、ここで時間がきてしまいました!

戦略提案をまとめるまでに至らなかったため、生畑目の意向でそれぞれのクリエイターに、印象に残ったキーワードや個人的に関心が高い分野、推していきたいと思っていることなどを、感想と併せて話す形に変更します。

 

振り返り

島津「今日はありがとうございました。話し終えて思ったのは、意外とみんな、食や農、自然環境といったこと興味を持っていること。それをどうやってビジネスの中に落とし込んでいくのかってのが今後考えるべき方向性なのかなと感じています。僕もやっぱり地方の雄大な自然環境の中で仕事をすることは定期的にあるので、みんなもどんどんそういったことが当たり前になっていけばいいなと思います」

 

加藤「本日はお時間いただきありがとうございました。今回お話しした中で僕が気になっているのは、ストーリーを作っていくという点です。実際に農業に携わっている方にスポットを当てて、どんな経緯で始めたのかとか、実際の姿はどんなものなのかなどを明らかにすると、見えてくるものもまた違ってくるのかなと思うので、アイデアの参考にしていただければと思います」

 

大久保「お疲れ様でした。食の幅広さに驚くばかりでした。私はこのコロナ禍で、若者が自発的に食や農に関心が向いているのがすごくいい傾向だと感じました。そこをもう少し深く考えるためのアイデアを出したかったのですが、中々思い浮かばず申し訳なかったです。でも本当にいい機会でした。ありがとうございました」

 

生畑目「みなさんお疲れ様でした。実は今回、今までで一番いろんな方にコメント頂いた回でした。みんな共通に関心を持ってる食っていうテーマだからこそだなと思いますし、コロナの状況だからこそ、よりみなさんの関心も高まってるなと感じました。ぜひこの場で繋がったご縁を大事にしていけたらと思います。今日はありがとうございました」

 

米倉「まずは今回、ここまでお話をさせていただけたことに感謝です。皆さんとお話ししてよかったなと思うところはやはり、自分たちの領域と異なる方たちの意見をフランクに聞けたことです。俯瞰して見ていたことで、自分の考えが固執していたことにも気づけました。また、今後のアイデアにつながる新たな視点も見つけられたと思います。私が残していきたい食育の話がある一方で、今後の変化に対応していく必要がある部分を、よろしければまたみなさんと一緒に考えていければいいと思いました。今後も機会があればよろしくお願いします。今日はありがとうございました」

 

一同「ありがとうございました!!」

 

 

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